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11.糖尿病と動脈硬化症

〔1〕 糖尿病と動脈硬化症
 糖尿病の方は、糖尿病ではない方に比べて約4倍心筋梗塞や脳梗塞になりやすいと言われています。なぜでしょう?
 糖尿病は血糖値が高い病気…という認識はあると思います。高い血糖値が長い間続くと、一番痛めつけられるのはどこか、皆様は知っていますか?


図1 糖尿病と心筋梗塞、脳梗塞



 動脈硬化は、血管の内皮障害から始まります。食後の高血糖は、血管の内皮障害を起こします(図1)。
 血管の内側の壁には、痛みを察知する機能が備わっていません。従って、高血糖であっても平然と生活をしている患者さんが多いのです。しかし、そのまま放置してしまうと近い将来心筋梗塞、脳梗塞を起こす可能性があります。


〔2〕 動脈硬化を進める原因は糖尿病以外にもあるの?
 糖尿病や高血圧症、高脂血症は不摂生な食生活や運動不足、加齢、ストレス、遺伝など様々な因子により発症します。糖尿病、高血圧症、高脂血症、肥満、喫煙は、動脈硬化症の五大危険因子と言われ、動脈硬化を進展させます(図2)。従って五大危険因子を防ぐ、あるいは調節するためにも、健康的な食事や運動は大切なのです。


図2 動脈硬化の進展



〔3〕 糖尿病の人は動脈硬化を進めないために、
何に気をつけたら良いのでしょう?
a. 食後の血糖値を跳ね上げない(食後血糖値は160mg/l未満が目標です)。
ゆっくり食べて、食後の高血糖を防ぎましょう。食事療法によっても食後高血糖が改善しない場合、糖尿病の飲み薬を使用することも考えられます。
b. 血圧は常に120/70mmHg台以下を目標に!
血圧の薬を使ってでも良い血圧を維持することが心筋梗塞・脳梗塞を遠ざけます。
c. LDLコレステロール(悪玉コレステロール)は120mg/dl未満を目標に!
d. 今すぐ禁煙を!
e. 過体重の人は減量に取り組みましょう。


〔4〕 動脈硬化の程度を知るためには?
 当院では、動脈硬化がどの程度進行しているのかを判断する指標として、IMT(内膜中膜複合体厚)という検査を導入しています。これは首の動脈の内側の壁の厚さをエコーで見る検査です。
 首の動脈壁は心臓や脳の動脈壁の様子とよく似ています。すなわち首の動脈壁が厚いということは、心臓や脳の動脈壁も厚くなっているということなのです。


〈この項終わり〉


1. 糖尿病とは
2. 糖尿病と血糖コントロール
3. 糖尿病と食事療法
4. 糖尿病と運動療法
5. 糖尿病の飲み薬 総論
6. 糖尿病の飲み薬 各論
7. インスリンの種類と効き方
8. シックデイ対策―糖尿病の人が風邪などで体調を崩したら
9. 糖尿病性網膜症と糖尿病性神経障害
10. 糖尿病性腎症
11. 糖尿病と動脈硬化症


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