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9.糖尿病性網膜症と糖尿病性神経障害 |
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糖尿病性網膜症は、成人の失明原因で第1位を占めます。血糖コントロールが不良だと、図1のように単純網膜症→増殖網膜症と段階を経て徐々に進行していきます。
いちど単純網膜症が出現しても、HbA1cを6.5%以下にコントロールすると網膜症のない状態に回復します。しかし、HbA1cが8%を超えると80%の確率で増殖網膜症へ進みます。
この時点でも自覚症状がないことが多く、早期に増殖網膜症を発見してレーザー治療(光凝固療法)で未然に出血を防がなければ、眼球の内部である硝子体へ出血が及び、失明に至ります。
網膜症はかなり進行していても症状が出ないことが多く、視力に異常を感じた時には手遅れである場合が殆どです。従って、異常を感じなくても必ず年に1度は眼科を受診して、眼底の精密検査を受けてください。網膜症は早期発見、早期治療と良好な血糖コントロールの維持が重要となります。
図1 糖尿病性網膜症
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糖尿病性神経障害は、合併症の中で比較的最も早期に出現し、頻度の高い糖尿病の合併症です。神経障害には〔1〕両足の「ビリビリ」、「ジンジン」などのしびれ感や痛み、冷感、ほてり感、こむら返りなどが起こる多発性末梢神経障害、〔2〕起立性低血圧や下痢、便秘、頻尿、発汗障害、無自覚低血糖、無痛性心筋梗塞などの自律神経障害があります。
神経障害の診断基準は図2に示した通りです。自覚症状と機能検査の組み合わせが肝要となります。神経障害の発症や進行を予防するためには、良好な血糖コントロールと歩行などの下半身の運動が重要です。
初期から早期の神経障害は血糖コントロールで治療できます。中期から後期の神経障害は非可逆的な事が多く、薬やマッサージ、温浴などの理学療法など症状を緩和する対症療法が主になります。
図2 神経障害の診断基準
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