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10.糖尿病性腎症 |
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末期腎不全による透析導入において、腎臓を悪くした原因の1位が糖尿病性腎症です。糖尿病性腎症の進行を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
1)尿アルブミンを測定する
糖尿病性腎症の診断は検尿で行います。いわゆる尿検査とは、尿蛋白や尿糖を試験紙の色の変化で調べる検査です。尿蛋白が陰性であっても、ごく微量の尿蛋白を尿アルブミンとして測定できます。
尿蛋白陽性は尿アルブミンでは300mg/g・cr以上に相当します。しかし尿アルブミンの正常値は30mg/g・cr以下です。すなわち、通常の尿検査で尿蛋白が陰性であっても尿アルブミンで30mg/g・crから300mg/g・crはすでに異常です。この早期障害に当たる時期を早期腎症といいます。
2)糖尿病性腎症は大きく分けて五段階
糖尿病性腎症は図1のように進行していきます。全く腎臓に障害のない正常アルブミン尿(30mg/g・cr未満)を腎症前期(I期)と言います。
次に尿アルブミンが30〜300mg/g・crに上昇した時期を早期腎症(II期)と言います。
これが進行し、尿アルブミン300mg/g・cr以上で常に蛋白尿がみられる時期を顕性腎症(III期)と言います。
腎機能低下が進み、血清クレアチニン値が2.0mg/dl以上を腎不全期(IV期)と言います。
腎不全が進行し透析が必要になる時期を末期腎不全期(V期)と言います。
早期腎症の時点で、血糖と血圧をきちんと管理すると、糖尿病性腎症の進行は確実に予防できます。しかし、一旦顕性腎症(III期)になると、他の腎疾患に比べて糖尿病性腎症では腎機能の低下が早く進みます。
3)腎臓を守る食事
顕性腎症(III期)や腎不全期(IV期)では、蛋白質や塩分の摂取は腎機能を悪くします。従って、食事の蛋白質や塩分を控える事はこの時期にとても大切です。
蛋白質や塩分を控える為に市販の低蛋白食品や減塩調味料を活用すると便利です。また腎臓に栄養を与える為に炭水化物・脂質でカロリーを十分に取る事が大切になります。血圧も家庭血圧測定を用いて130/80mmHg未満を目標としましょう。
4)末期腎不全期(V期)の治療法について
末期腎不全期(V期)の治療法は腎移植、血液透析(通院は週3回)、腹膜透析(通院は月1回の在宅治療)があり、その人の生活スタイルに合った治療法を選ぶことが出来ます。
図1
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